まだ続く発電所めぐりシリーズ、番外編でありながら本丸。
いわゆるフツーの発電所じゃないけど、せっかく福井“原発銀座”をヤるのに、アレを見ておかなければ片手落ちだろう(知らんよ)と、美浜原発から県道141号竹波立石縄間線を行く。トンネルを通るとほどなく正面に「もんじゅ」正門。そこを左に折れてちょっと下れば白木の浜。
キタキタ、いいね。美浜でも驚愕した、波音も静かなあまりに綺麗な若狭の海と白い浜。バス停付近にオートバイを停め、振り返ればもうソコにドンと鎮座しているあの姿…

ド迫力。その来し方行く末を思うと、なんかの巨大な墓みたい
「ホントにあった!」
ニッポン原子力産業の悲願、夢の(夢でしかなかった)高速増殖炉「もんじゅ」。管轄は日本原子力研究開発機構(JAEA)。忘れちゃいけない「旧動燃」ね。
…なにこの、別にどこの果てでもないのに濃厚に漂う“世界の果て感”は。海が綺麗すぎるから?海なのに鳥がいないから?
つい、誰に言うともなく(強いて言うなら人類に、か)「お前らどうすんの?コレ」と呟いたけどね。周囲に人っこひとりいないんだけどサ。
「お前ら、どうすんの?コレ」。

原発のムラには欠かせない啓発センターみたいなの。その未来的外観がいっそう虚しい。
小さな白木の集落、豪邸多し(ソコに関して特に何も言わない)
画像や映像で見ていたその姿まんまのド迫力ながら、完全な無用の長物と化した化学廃墟(いや、多分まだ中なんかやってんだろ)「もんじゅ」…
私ごとになるが、NHK「週刊こどもニュース」で初めて携わった池上解説模型(1994年4月)のネタがこの「もんじゅ初臨界」だった。ただの箱みたいな模型だったけど、記念すべき初ニュース模型。
ソコから俺、結局30ウン年もそーゆー特殊美術を作り続けているわけで…言ってみればコレ俺の人生を変えた建物と言っても過言じゃなく、複雑な感慨が…
そのあまりにダメな歩みと末路に自分の来し方行く末をつい重ねてしまい、結局最後は白木浜の異常に綺麗すぎる海並みに深〜いブルーになったわマジ。

やや人の気配がしたので隣接の漁港へ。なんか未来ある子どもたちが描いたと思しき壁画や、のんびり糸を垂らす釣り人、イカ釣り漁船とかとの対比がまた異様さを強調
(どこの局のせいとは言わないが)スッカリ最近はガチニュース模型を造る機会が減ったため気をつけてウォッチしておらず知らなかったけど、JAEA性懲りもなく浜からはブラインドになっている山の右奥あたりで新型高速炉の実験施設を絶賛作ってるらしいじゃん。今度は「中性子ビーム」だって。
それで合点がいったのは敦賀駅周辺の、松本零士センセもビックリなバブりっぷり。もちろん北陸新幹線が通じるからなんだけど、そもそもその延伸自体がナゾで。勝手にこのところの大阪のナゾバブルと関連してるのかと邪推していたが、ナルホド。件のビーム施設を造るから、伝説の「もんじゅカード」を再発行してたのか。※全部信じないで。

見上げるとこの施設のためだけに通した「もんじゅトンネル(敦賀半島トンネル)」。この後通ってみた。呆れるほど長い!
こりゃ福井県、常時ウォッチしとかにゃ文字通り「裏」で何やってるかわかったもんじゃないな、と。単なる野次馬のクセに無駄に社会派気取ったりして。
コレらや、今気になってる「茨城」とかが全く関係してないはずもなく、休みの日にノンビリ海眺めに来るとこじゃないのは間違いない。
一部国民には万博よりまずココ行くのをオススメ。
◉野磁馬
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