カミノヤマか仏の山か 〜山形県上山市周辺 1〜

いわゆる「パワースポット」ともまた違う、ちょっと未体験の雰囲気漂う上山。俺も山育ちなんだけど…ナニカが全然違う
日本ローカル旅

山形は…山!

山形といえば真っ先に出羽三山、即身仏(偏向)。オートバイなら蔵王か。酒田あたりの海ギリギリまで全域がほぼ山なので、やっぱ山形は山。
現在は丁度山向きのオートバイに乗っているので、一度ちゃんと東北内陸方面を彷徨ってみようと山形へ行ってみた。

無論、豪雪地帯なのでオートバイでウロウロ出来る季節が大変限定的で、ツーリング先としてはつい後回しにしがちな県(勝手に)。
10年以上前に「ねっづぐ!ナントカ」とかいう、タイトルから既に理解不能な番組のために初めて山形に行った時がまさに人生初体験級の大雪の日で、その印象が固定しているんだけど。

この天気がずっと続く中を、大荷物で仕事に行きたくないよね。
2013年 NH○山形放送局「ねっづぐ!やまがたナントカ」という番組で初の山形

俄然道は面白い山形

この時は新潟を一通りヤってからの山形入り。
あまりに何もなくだだっ広い越後平野で方向感覚がおかしなことになっていたのだが、山形に入った途端、俄然道が面白くなって。
南陽から米沢までの「ぶどうまつたけライン」っていう名前からしてヘンな道を見つけて走ってみた。

既に様子がおかしい山形内陸の景色。広域農道「ぶどうまつたけライン」は走りやすくていい道。山上には鳥人間も

この種の農道としては整備の行き届いたいい道。四国の某みたいに身の危険を感じる箇所もなくスンナリ米沢着。

そうじゃないだろ山形

ご当地グルメにも江戸以前の日本史にも全く暗いダメ旅人なので、フルーツにも米沢牛にもカブリ付かず、大したゆかりもない謙信公関係を冷やかせばNHKのご威光ばかり見せられて若干ゲンナリ。

謙信公に何の思い入れもない上、妻夫木のドラマも視ていないクセに上杉神社へ。
大河の経済効果恐るべし

「多分こうじゃないだろ山形」との疑念がムクムクと。町場では本質に触れられないと、引き返して北上。
この季節(5月)ならただ走っていて死ぬことはないだろうと、雪景色と閉鎖の印象しかない「蔵王ナントカライン」系を走ってみようか。

“珍百景”発見

そのまま下道で国道13号(上山バイパス)を北へ。東北自動車道のかみのやまI.Cを過ぎたあたりで異様な光景を発見。ついバイパスを外れて見に行けば、やはり目の錯覚ではない。
きっと東北珍百景にカウントされているだろう、謎のタワマン「スカイタワー41」。

思わず2度見してつい道を逸れてしまう求心力。日本一安く住めるタワマン「スカイタワー41」!“珍百景”認定

「ホントにあった!」

何これ…ヘンだろ。
上山といえば俺の知人の中でも数少ない人格者であるMちゃんの出身地。それを思い出して早速LINEで聞いてみれば、「ああ、そこまでたどり着いたんだ…多分、日本一安く住めるタワマン「スカイタワー41」ね」と即答が返ってきた。

なぜ作ったのかは知らない、と。

降りてしまったついでにMちゃんのルーツを探りに上山を周ってみようと予定変更。確かご実家は豪農だったっけ…

つい有名な「赤湯」にばかり囚われていたが、ここも温泉地じゃん。あんなに立派な城もあり…ってウソのやつじゃんコレ。「スカイタワー」、高台から見てもやっぱヘン…
とか、非常に慎ましいド田舎旅の経験を積んでいたのだけど…

偽物の城がある高台から見てもヘンな「スカイタワー41」

人里から10分程度でいきなり異界IN

この後に経験した、ちょっと普通じゃない上山(てか、多分山形全域かも)での非日常体験はいきなりテンションが変わるので次回に。

◉野磁馬