ロシア辺境ワンダーランド1 〜ユジノサハリンスク駅〜

現地時間とモスクワ時間の時計があることが、この国の広大さを物語る
1枚の写真 〜ONE SHOT〜

「1枚の写真」で語るには広大すぎるし、色々ハナシが濃すぎるロシア。特段好きな国ではないハズなのだが、勘定したら結構な回数行ってるな…
しかも本丸であるモスクワよりも「なんでワザワザこんなトコ?」っていう“僻地・辺境”ばっか…この際シリーズにしてみようかと。

「手始め」というには若干事情のビミョーな「帰属未定地」サハリンから。俺は地図を書くことも多い仕事をしているのでお馴染みの「白くしないといけない」アソコ。いわゆる南樺太ネ。
「実効支配」といえばここより北方領土の印象だが、このままではフツーに若い子が「サハリン?ロシアでしょ」と答えるようになるのは時間の問題。
現に現地では「帰属?なんのこと言ってるか分からない」というのがスタンダード回答だった。

日本からは成田→千歳。そこからたった40㎞。あっという間のユジノサハリンスク(旧豊原市)。しつこく日本語で言うと「豊原大澤飛行場」ね。

「ホントにあった!」

タクシーで中心部に出て、そこからさらに南樺太の周辺地域に行くにはこの鉄道駅を使う。
市の中心部「ユジノサハリンスク駅」。全ての駅は「旅の入口」。
駅舎前面、こんなにデカく表示してあるけど駅名ではない。「ВОКЗАЛ」は日本語で単に「鉄道駅」の意。モスクワ時間と時計が二つあることが、ロシアのデカさを表している(ロシアって言い切っちゃダメ)。
朝鮮半島を含む複雑な歴史やいまだ継続中の切ない諸問題を抱えた島だが、街自体は本当にノンビリした片田舎の小都市といった風情。眠たい。

でもココにただノンビリしに行く日本人はいないか。
モノ好きな観光客がロシア本土を攻めるなら、ココより当然ウラジオストクからになるだろうし(だからココはロシアって言い切っちゃダメだってば)、
太平洋戦争(第二次世界大戦)にかかる史実の検証や取材以外に、頑張ってこんな僻地に行く理由があればいいのだけど。

特にないので多分もう行くことはない島。

◉野磁馬