“魔境”ボルネオの汚い玄関 〜言いたかないけどコタキナバル 3〜

魔境の片鱗を見に現地ツアー参加。“脅怖”の蛇女は何処に
アジアローカル旅

本当のボルネオを探しに

前記事などで、散々“汚い、臭い、コ汚ナバル”などとディスってきたが、居心地はさほど悪くないコタキナバル。

基本好きなんで、汚いのは。我ら「深夜特急世代」は(適当なこと言うな)。

だいたいこれまで世界のどこでも(そんなに長居しないからだと思うけど)「不快!帰りたい!」とか「やっぱ日本よね〜」とか微塵も思ったことない俺なので全く参考にならないとは思うが、ココも数あるアジアの汚め観光地のひとつかな。
住む・住まないで言うと「別にあえて住まなくていい」ってところか(大してカネも落とさないし、向こうも願い下げか)。

とにかく東南アジアは交通がなあ…

まず住むなら絶対オートバイ一択なんだけど、あの地獄のASEANスクーター交通を「バイク乗り」で括られては敵わないな。
鉄道の整備は本島(って言わないか)の方でも都市部ではようやくって感じで、まだまだ先になりそう。20年くらい様子見かな(多分生きてない)。

富士より高いキナバル山。結局滞在中、その勇姿を完全に拝ませてはくれず。そこもまた富士っぽいかと

コタキナバル滞在最終日を前にちょっと思い返し、汚い海と中華街の夜市だけで(あといくら見ても価値がイマイチわからないアジア圏のモスク)コタキナバルを判定しちゃいけないと、ネイチャー方面を攻めることに。
現地ツアーを探ったが、例の富士より高いキナバル山(標高4000メートル)ツアーとジャングルクルーズ・ツアーは全く方向が違うためどちらかにしなくてはならない。

迷った挙句、幼少期のトラウマUMA=ハマーの蛇女がいそうな「リバークルーズ with テングザル」を予約。

「リバー・クルーズ」ツアーにも2種類あり、こっちのは「クリアス川」Ver. なんかココへ来て初めてたくさんの白人観光客を見た

泊まっている宿が表示なしのアパートのため、最寄りの大きいホテルでピックアップしてもらい、「マジェラン・ステラ・リゾート」で日本人家族と合流。
普段なら海外で日本人家族になど絶対会いたくないものだが、彼らがいなかったら料金2倍だからもう同士気分。

絶賛工事渋滞もあり、2時間走ったかな。クルーズ船だまりの「クリアス川」に到着。

「ホントにあった!」

川は汚いが、これでもまだ観光用に綺麗にしている方なのかと邪推。汚くしておくからちゅ…外国人が「汚してもいいのか」と思っちゃう悪循環

ウリは野生のテングザル。

ジャングルにヘンな野生猿といえば貴志祐介の「天使の囀り」しかイメージできなくて(偏向)怖かったが、そもそもテングザル…意味わかんないよねあの顔。

テングザル母子の、妙に神々しいお姿。もう川なんて見ちゃいない

とりあえずツアーに付属のビュッフェでなんか食って、一緒の日本人家族に蚊以外の生物も逃げ出しそうな現地の強力防虫スプレーを貸し、結構感謝されたりしながらクルーズスタート。

…川?汚いよ当然。ガッツリ観光地だし。
やはりこちらも最終的に暮れなずむ時間帯に設定してあり、サルは基本樹上にいるので川自体の汚さはうまく糊塗される仕組み(ディスんなって)。

こちらも雄々しいテングザル様。ボケーっと眺めていると恐ろしい何かを宿した蚊に食われるので、現地の虫除け(臭い)マスト!と観光ガイドに明記しておけよ

サルね。かなり居るね。

色々と日本語の達者なガイド氏がその生態について解説してくれるが、マジ船降りて上陸したい気分。

でもジャングル歩きも組み込んだら子どもさんにはキツいツアーになっちゃうか(遊び方が無謀なガイジンの安全確保も難しい)。
お客様の旅行運や野生動物の気分に左右されると思うが、この日はまあまあ色々よかった方では。

オオトカゲもワニも見られて。

ワニいるし。落ちたら死ぬじゃん、と緊張。
「ああ、ガチ・ジャングル・クルーズだな」と感慨ひとしお

サル神々しく、魔境の片鱗に触れた気分

同乗の少女はワニをうまく見つけられず不機嫌だったが、俺とかの老人は「川口探検隊」などでヤツらが視聴者を満足させるほど完全に現れることはないのは既にご存知。あれで充分「ワニも居る!落ちたら食われんじゃん!」と興奮もでき。

うん。これにて、広すぎて4〜5日程度でコンプとは言い難いが「コタキナバル見てきたよ」と報告できるくらいには見たかな。「ボルネオを知った」とは言わないけど。

なんだかんだで来てよかったツアー。このミズオオトカゲとかもその辺にいたらきっと危険だろ、多分

あんまり利用しないが現地ツアーを完全否定できないのは、とにかく「自力で無理して経験は半分、かつ生命の危険アリ」になるより遥かにマシということ。

なんか“日本語ガイド付きツアー、他よりボッてないか疑惑”は若干残りつつ。
リピートは…地元民の意識向上が進み、再び美しい海を取り戻す日が来たとしても、今生では無いかな。

インドネシアの首都ジャカルタの地盤沈下(海面上昇じゃなく?)が凄まじいらしく、ジョコ提唱の首都機能移転が着々と進んでいるようだ。移転先はカリマンタンということで、ソッチ方面も気になる。

また中途半端にジャングル開拓して環境破壊した挙句、中国資本やカネかなんかの問題で途中でやめそうな嫌な予感も。
あと、政府ばっかり逃げた後のジャカルタ市民(下層の)は切り捨てて沈ませる気なのか、とか悪いけど不信感タップリなニュース。要注目。
今度はインドネシア管轄のボルネオを見に行くのもいいかも(また帰れなくなること請け合い)。

とりあえず今回はこんな印象で「さらば、ボルネオ」。次は嫌な予感しかないジャカルタへGO

さて「アジアのどこかに住める所はないか」を探す旅、次はASEAN1のメガシティ「ジャカルタ」を探りにインドネシアへ(既に期待薄)。

◉野磁馬