今更韓国料理でグルメでもなかろうて
日本では、ホンオフェ(홍어회)だの、ポンテキ(번데기)だの、ケブル(개불)だのといった完全なゲテモノまで含め満遍なく紹介され尽くし、なんならシノクボとか赤坂行けば大抵のものは食えるようになった韓国料理。
このコムジャンオ(ヌタウナギ)なども、もはや「食った、食った」騒ぐまでもない有名料理であろう。
好き嫌いも全く無く、何から何まで基本美味しくいただく俺なので、グルメレポが本当に雑で。
昭和の真に危険な食べ物や平成の輸入ジャンク等のせいでだいぶ舌はバカになってると思うし。
なので、食った際の珍エピソードと共に紹介するくらいしかできないのだが、その線でご容赦いただきながら「世界メシ」続ける。

もはや珍しくもないというなかれ、素材は十分ゲテモノな「コムジャンオ(꼼장어)グイ」。
ただ、「本場で食べた」以外の特別な情報はない
で、釜山名物「コムジャンオグイ(ヌタウナギ焼き)」。ご当地釜山の南浦洞、これまた今更ご紹介するのも若干お恥ずかしい「チャガルチ市場」。
まあ、本場で食ったということで…
水産市場では観察禁止の食材たち
店頭ではアジュンマが慣れた手捌きで雑に魚を焼いたり揚げたりして、匂いで観光客の胃袋を鷲掴み店内に誘い込むお馴染みの光景。
その横に積み重なった生簀や水槽には数分後の運命を悟ってジッと瞑想しているような、奇怪な形状の水棲生物たち。

もはや絶対語り尽くされているだろう有名観光地「チャガルチ市場」。
海苔もこう置かれると怖い。ホヤなど、いつ食っても結局ホヤでしかないが、「ここで捌いてそのまま食ったら美味いのかも…」などと間違いそうな活気と勢い
いた。日本名『ヌタウナギ(元メ○ラウナギ)』。
あ、キモい。ここどうなってんの?え、何このクチ…
とかそういう観察は厳禁で店内へ。
昼飯時を過ぎていたので混んではいないが、地元の荒くれアジョシ(漁港だから勝手に荒くれ扱い)が数グループ、しっかりと昼とは思えぬソジュの瓶を並べていらっしゃった。
座敷席に上がり、とりあえずヘタレ観光客らしく、ユムシとかは忌避し無難な焼き魚とメクチュを注文(飲むのかよ)。
この時は若妻がいたのでパンチャンだけでお腹いっぱいってパターンかな…と、思っていたら「なんか珍しいのも食べたい」とか言い出して仰天。

スタンダードに、店頭で魔力を発散していた焼き魚を注文。やたら出てくるパンチャンも合わせたら、夫婦2人で1尾でも十分なボリューム
ならば、残してもなんとなく他のものと混ぜちゃえば誤魔化せそうな「コムジャンオ」にしよう!
「ホントにあった!」
いや、味は辛かったけど考えは甘かった。
多い。
田舎に行けば行くほど食いきれない量が出てくるのが韓国料理(そうでしょ?)。
味?味はいつものあのアレよ。コチュジャンの…ホラ、タマネギの甘味が…(ハイ失格)。

中華料理だったら速攻「半分持ち帰りで包んで!」と言ったところだが、これ持ち歩いて他の観光地回るわけにもいかず、仕方なくせっせと箸を運ぶ
ウナギ=精力は万国共通
ヒーヒー言いながらサンチュ追加したりしていたら、いつの間にか背後に荒くれ漁師(決めつけ)の1人が居て、「ほら、どうした!もっと食わんと」みたいなお囃子を入れ出した。
そういえば注文で「じゃあコムジャンオ追加で」言った時にピクッとこっちを気にした奴らが数名いた気がするが、何か問題が?
てか、ニタニタ声かけるほど珍しいか?日本人。
地元じゃ誰も食わないゲテモノとか?いや、名物のはずでしょ?
察し。
…あ、そういう興味じゃなくててソッチの意味?
日本人の我々が精力をつける時はもはや食からよりもサプリとかドリンクみたいなのがスタンダードになってるから意識していなかったが(だいたいウナギ自体蒲焼きで高級品になり、精力のイメージは亀や蛇に譲った感が)、釜山では現役の精力剤というわけか。
いやらしい奴らめ。冷やかしていないで半分食っていけよ。
…もうダメだ。味が濃くて同じすぎる!
早々に諦めて玉ねぎだけ摘んでいる妻に「パプ欲しい…」と呟けば、即座に後ろのオヤジが「パプだってよ!オバちゃん!パプ!」とか注文まで手伝ってくれて鬱陶しい。
何を期待してるんだ他人の夫婦に。昭和にタイムリープか。
きっと若妻をダシに卑猥な冗談なども言っていたに決まっているが、「ああ、田舎だなあ!」とよくわからない感慨も。
商品写真を飾ってないメシ屋では量に注意
結局食いきれなくて「…オルマエヨ」。
荒くれ者の嘲笑と励ましを背に受けつつ笑顔でとっとと退散したんだけど、キッツかった!
午後からの旅程に影響が出る(ビンビンになるとかじゃなく、単に腹が苦しい)の必至でお勧めできないが、日本人2人なら2人で1品、足りなきゃ食べ歩きで補填くらいが韓国の田舎市場での食べ方かな。
結局、旅グルメレポにはならないけど、注意喚起。
あと、エッチなオジサンたちの老害コミュニケーションに苦笑いしながらメシを食うという環境が懐かしい昭和人間にはオススメ。
◉野磁馬



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