来たか?魂のまほろば、心の故郷
どこへ旅しても常に日本以外のロングステイ先を探し続けている人生(たいしてマジじゃないが)。
できる限り実際に方々を回って、もはや枯渇しかけている感受性をフル稼働し、「ズバリ!まほろば、キタ〜」を待ってるわけだけど。
…なんか帰国して、またお馴染みの東京砂漠で砂塵に巻かれている今日では、結局“ひと夏の幻想”だった気もしつつ。
インドネシア、ジャワ島の古都ジョグジャカルタ、そんな幻想を抱かせるに十分な“まほろば感”だった。
まほろばとは、「素晴らしい場所」「住みやすい場所」という意味の日本の古語。
「まほらば」「まほらま」「まほら」ともいう。楽園。理想郷。
思えば、最初は「香港でキマリ!」などと思っていた時期もあった…
今は昔。香港ああなっちゃうなんて想像だにしなかったから(この時点で現代史の読み込み甘いヤツ)…

どうせしがない中年異邦人。どこだろうとありがたく暮らせると思っていたのだが…ジャカルタは候補から外れた…多分ムリ
マレーシアはKL→カジャン→コタキナバルと周り、インドネシアは“メガ・シティ”ジャカルタへ。
それぞれ一長一短、どころか正直ドコもキツくて。なんだろ、ジャカルタなんて論外だったな…仕事でもゴメンって感じ。
老後のジジイのロングステイ先が未だバンコク方面に集中するのがなんとなく理解できた。
ワシャまずあの硬水がイカン(いきなりジジイ口調)。
静岡東部生まれなので、どこも水は結構ハードル。それでも東京で何十年も暮らせてるから、そんなの問題にならんだろうと踏んでいたが、NO。もう若くないのを忘れていた。
日本人、頭がハゲると思う。マレーシア・インドネシアの硬水。え?都市伝説?
観光なら買える飲み水に困らなきゃいいと思っていたけど、ロングなら生活で使う水の方が結構重要で。ハゲちゃ困る(既にの諸兄ごめんなさい)。
いずれにしろ教訓、各国水の予習は怠らないようにしないとダメ(で、結局どこにも住めないヤツに)。

ご覧のように何もない所に開いたジョグジャ新空港。
その隣の奇抜なモスク。今はいいけど…
頼れるTOMOの住む街
ジョグジャにはマレーシアでの仕事で仲良くなった「ジョグジャと日本の架け橋アーティスト」TOMOが住んでいて、「鉄道が安くていいよ〜」と教えてもらったのだが…
7時間!長旅すぎる。
てか、鳴物入りで日本から奪った中国資本の高速鉄道計画が明らかに途中で…いや、この話はいい。マレーシアでもした。
在住者の帰省や鉄道旅自体が目的の人なら具合のいい時間だが、このあと決まった日に帰国しなければならない駆け足旅なので、ここの移動は効率よく済ませたい。結局飛行機でビュン。ジャカルタから1時間ちょい。
ジョグジャカルタの新空港は2019年に部分開業。ピカピカ。塗料のニオイとかして。アートの街なので空港内にも現代アート(古典と折衷系)が散りばめられているが、古びたらどうすんだろコレ。いいのか、古都だから。
各国の新空港の御多分に洩れずド田舎にポツン、なので徒歩でできることは大してない。気を抜くと日焼け止めの売り子に常時囲まれるし。
飛行機降りたらすぐに中心部行きの電車のチケットを買っておこう(全員同じ方に行くので物凄い待つ)。
懐かしく、明るい田舎の旅へ
いや、ここからね。
市内中心部に向かう鉄道の車窓がもうヤバい。いわゆる成田・千歳状態。
アレ、ビジネスで通う人や目的が都会にある人にとっては苦痛じゃん、千葉の風景とか日ハムとか。なんか恥ずかしいし。
でも逆に海外でたいした用もなく時間に追われていなければ、この先の旅路に想いを馳せるのに絶好。ド田舎を先に見ればその土地をちょっとわかった気になれる。
ジョグジャの明るい(そして懐かしい)田園風景を見ながら、成田からの苦痛な電車も暇なガイジン気分で見直して行こうと思った次第(絶対違う)。
前述TOMOが在住なら、たいした予定立てなくてもなんとかなるだろうと踏んでいたのだが、何しろ忙しいカノジョ、全然ジョグジャにいない。
日本人が滅多に行くこともない(断定)スラウェシの田舎かどっかに居るらしい。何やってんだか。
結局また独りなら、ちょっとモードチェンジが必要。

徘徊開始。「夜の匂い」濃厚ないい路地発見。こんなんじゃなく、ローカルのメシとかそういうのもやっていかなきゃな、旅のブログらしく
あれ?ここじゃね?ファイナル・デスティネイション
緊張して中心地の駅に降り立つ。
あ、いい。
徘徊してみる。
なんだろう、いつもみたいに首、肩周辺がピリつかないぞ。
いや、長旅の最後で色んなアンテナが弛緩しているだけかも。腹も減っていないし。
とりえず、宿へ。

世界中どこへ行ってもとりまマックを食う悪癖がある。そんで後悔しながら宿への帰路、いいスラムが!懐かしい夜の匂いがする街、確定
そこで確信。
「ホントにあった!」
嗚呼、まほろば到達の予感。
夢見心地のお宿レポートへ続く
◉野磁馬



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